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 [東京 27日 ロイター] 新日本製鉄<5401.T>の2008年3月期の連結経常利益は、前期比0.4%増の6000億円となり、4期連続で過去最高益を更新する見通し。自動車向けの高級鋼や造船・機械向けに鋼材の強い需要が続いているほか、グループ会社の利益増が貢献した。一方、住友金属工業<5405.T>は、税制改正による減価償却負担増など一過性の負担増で8.4%の経常減益見通しとなるが、こうした要因を除くと、ほぼ07年3月期並みの利益となっている。

 ロイターエスティメーツによる主要アナリストの予測平均値は、新日鉄が6170億円(15人)、住金が3300億円(14人)で、両社ともに予測を下回っている。

 新日鉄の08年3月期連結売上高は同10.6%増の4兆7600億円、営業利益はほぼ横ばいの5800億円の見通し。

 名古屋製鉄所で第1高炉の改修が終わり、自動車向け高級鋼を中心に、粗鋼生産量は07年3月期の3452万トンから100―150万トン増加する。高級鋼需要に対応した生産出荷増で450億円、コスト改善で350億円、製鉄子会社・持分法適用関連会社等で320億円が増益要因となる。

 販売価格上昇やコストダウンは見込んでいるものの、ニッケルなどの原材料価格上昇もあり、差し引き200億円のコストアップ要因とみているほか、税制改正による減価償却費負担増が350億円あるものの、好調な販売増で吸収できる見通し。

 決算発表の席上、増田規一郎副社長は、27日の取締役会で、2009年完工をメドとして、大分製鉄所での第一高炉改修を決定したことを明らかにした。大分製鉄所の高炉改修で100―150万トンの粗鋼生産増になる。

 同社の三村明夫社長は、粗鋼生産4000万トン+アルファを目標に掲げているが「大分製鉄所の改修等もあり、着実に進行している」(増田副社長)という。

 住金の08年3月期連結売上高は同6.1%増の1兆7000億円、営業利益は7.8%減の2800億円の見通し。粗鋼生産は1340万トン程度(前年度1338万トン)の見通し。

 税制改正に伴う減価償却費の負担増が180億円、持分法会社SUMCOの米国子会社清算に伴い90億円など一過性のマイナス要因が290億円ある。原材料価格上昇で600億円、在庫評価益の減少の影響も50億円あり、コスト改善や販売数量・価格上昇のプラス要因を超え、利益面では減益見通しとなっている。ただ「一過性の要因を除くと、実力的にはほぼ横ばいの決算」(本部文雄副社長)と説明している。 

 主力のシームレスパイプの価格も、原材料のニッケル価格が上昇していることから「07年3月期に2割程度上がった。この勢いで上がるかどうか分からないが、今年度も上がっていくと思う」(本部副社長)との見通しを示した。ただ、ニッケルの価格上昇の影響が他社に比べて大きいことから「収益改善にはどう価格転嫁するかがひとつのポイントになる」(本部副社長)と述べた。

 なお、連結経常利益3000億円と高水準を継続できるとして、年間配当は8円の維持を打ち出した。

 同時に発表した07年3月期の連結業績は、新日鉄の売上高が前期比10.1%増の4兆3021億円、営業利益が0.7%増の5800億円、経常利益が9.2%増の5976億円、当期純利益が2.1%増の3511億円だった。

 住金は、売上高が同3.2%増の1兆6027億円、営業利益が0.7%減の3037億円、経常利益が16.7%増の3276億円、当期純利益が2.5%増の2267億円となった。経常利益、当期純利益ともに3期連続で最高益を更新した。 (asahi.com200704271715分より

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