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 大手機械メーカー「荏原製作所」(東京都大田区)が東京国税局の税務調査を受け、06年3月期までの4年間で約8億円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。同社は、大阪府阪南市の汚水処理施設建設工事受注を巡り、同社営業幹部がブローカーに約7800万円のリベートを支払った贈収賄事件を起こしており、国税局はこの約7800万円を含む約2億5000万円が悪質な所得隠しにあたると認定したとみられる。
 同社は繰越欠損金のある税法上の赤字法人で、追徴課税は発生しない。
 関係者によると、荏原製作所は05年2月、阪南市発注の汚水処理施設工事を20億4000万円で落札。その際、準大手ゼネコン「ハザマ」(港区)など下請け業者に支払う工事代金水増しで資金をねん出し、ブローカーで土木建築会社役員、涌田良明被告(73)=加重収賄罪で公判中=に約7800万円を支払い、悪質な所得隠しと認定されたという。
 汚水処理施設工事を巡っては、荏原製作所を含む11社が阪南市の工事を含む05年2~7月の8件の入札で談合を行ったとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪で起訴。同社には今年3月、罰金2億円の判決が言い渡されている。
 荏原製作所は談合で阪南市の工事を受注する際、涌田被告と同市の元市議、慶田浩被告(64)=同=から円滑な工事受注のための議会対策など便宜の見返りに受注額の約10%にあたる2億円の提供を求められ、両者の交渉で1億1000万円を下請けへの工事費水増しでねん出し、涌田被告に渡すことが決まったという。談合発覚で実際に支払われたのは約7800万円で、そのうち約1000万円が慶田被告に渡っているという。
 贈賄側の荏原製作所の営業幹部2人には大阪地裁で有罪判決が言い渡されており、涌田、慶田両被告の公判は継続中。
(毎日新聞 4月26日15時2分配信 )

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